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ロードバイクで膝が痛くなった時の原因として考えられること

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ロードバイクに乗っている時の体の悩みで最もよく聞かれるものの1つが膝の痛みです。

 

上り坂になると痛くなる、ロングライドをしていると後半にかけてじわじわ痛くなる、ひどい時は乗り始めてすぐに痛くなる…。

 

ロードバイクの性能が日進月歩に上がってもなお、この悩みだけは常に消えることなく、多くのサイクリストを悩ませます。

 

ロードバイクは機材スポーツであるため、体単体で行うスポーツ以上に膝の痛みの原因が複雑化します。

 

色々対策を講じても改善しなかったり、何から手をつければ分からなくなったりしがちです。

 

そこで考えられる原因と対策が整理されれば順を追って対策を講じることができるのではないかと考えました。

 

今回は、ロードバイクに乗っていて膝が痛くなった時の原因として考えられることをまとめます。

 

 

ポジションに原因がある

 

ビンディングペダルに固定された状態で前傾姿勢を保ちながら長時間同じ動作を繰り返す、というのがロードバイクというスポーツの大きな特徴です。

 

同じ動作を長時間続けるということは、そもそものポジションが体に負荷のかかる状態になっていたときに、長時間体に負荷をかけ続けることになります。

 

ただでさえダメージが蓄積されていく運動なわけですから、始まりの段階で体に負担の少ない状態を作る必要があります。

 

もちろん、”体に負担の少ない状態”というのは、筋力や柔軟性によって個人差があります。主に体幹や股関節の筋力と柔軟性に優れているほど、許容できるポジションの幅も広くなります。これらの改善も膝の痛み対策に必要です。(後述します。)

 

膝の痛みが出た時に試してほしいポジション調整①サドル高

 

下死点での膝の角度が伸びすぎず曲がりすぎずの位置にしましょう。

 

膝の痛みが出る時、まず考えるべきことはサドルの高さが適正であるかどうか?です。

 

適正というところがポイントです。サドル高は高すぎても低すぎても膝の負担が大きくなります。

 

基本的には下死点での膝の角度が145〜150度の状態が最も膝の負担が少なくなります。(1)

 

この角度を自分で探るのは難しいですが、ざっくりと出すなら踵をペダルに乗せた時に膝がまっすぐになる高さに設定するのがおすすめです。

 

 

膝の痛みが出た時に試してほしいポジション調整②サドル角度と前後位置

 

膝の負担を上げる原因として意外と多いのがサドルの角度が過度に前下がりになっていることです。

 

前下がりになることで過度に前重心になるため、体重を膝で支える状態になってしまうのです。

 

立った状態で軽く膝を曲げて、そのままつま先に体重を乗せてみてください。サドルが前下がりになっているのはこの状態です。

 

上り坂で力を出しやすくするためにサドルの角度を前下がりにすることがありますが、それを極端にやることはお勧めしません。

 

基本的にサドルの角度は、先端部分が水平になっている状態を作りましょう。

 

もちろんサドルによって後ろが大きくせり上がっているタイプもあるので、絶対的な適性角度というのはありません。

 

膝の痛みが出た時に試してほしいポジション調整③サドルのハンドルの距離(リーチ)

 

サドルとハンドルの距離については、前すぎても後ろすぎても良くないです。

 

これの判断基準は、肘の角度です。リラックスして乗った状態で肘が30度程度曲がっている状態が適正なリーチになります。

 

普段立っている時の肘の状態を思い浮かべましょう。軽く曲がっていると思います。人の肘は、リラックスしていると軽く曲がっているのです。(生理的屈曲)

 

長時間の運動において大事なことは常にリラックスできることです。そうなると、肘が伸び切ったり、過度に曲った状態は適正であるとは言えません。

 

この状態が作れるようにサドルの前後位置や、ステム長、ハンドル幅などを調整してみましょう。

 

 

 

筋力が足りていない

 

膝に負荷がかかってしまう大きな原因としては、基本的な筋力不足も挙げられます。

 

膝周りの筋力そのものが弱いのもそうですが、足首や股関節の周りの筋力不足が原因なことが多いです。

 

なぜなら、ペダルを回す動きは膝の曲げ伸ばしだけでなく、股関節と足首の動きが関わってくるからです。

 

実際フィッティングをしていても、股関節の筋力不足や足首の機能低下が根本の原因であることがほとんどです。

 

また、運動連鎖の観点で語ると体幹の筋力不足も無視できません。前傾姿勢のキープのために体幹と股関節が機能しないことで、ペダルに体重が乗らなくなり、膝への負荷が増大するというパターンも大いに考えられます。

 

自転車を本格的に乗るようになって膝の痛みに悩まされている方のうち、これまでスポーツの経験があまりないという方は筋力不足が原因であることも可能性として考えてみてください。

 

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体の使い方に原因がある

 

ロードバイクに乗っている時だけ膝を痛めてしまう場合、膝に負担のかかるペダリングになっている可能性が高いです。

 

ペダリングは基本的には股関節周辺の筋肉を主体に行う動きです。(人の動作全般に、股関節周辺の筋肉をいかに使うかが大事です。)

 

股関節を使えていない状態で長時間のペダリングをすると、膝を痛めるリスクが上がります。

 

膝に頼ったペダリングとはどういう状態かというと

 

✔︎乗っていると前ももに負荷を感じることが多い

 

✔︎踵が常に上がっている

 

✔︎踏み脚の際に踵が大きく落ちる

 

✔︎骨盤が上下に大きく揺れる

 

などです。

 

こうなっている時は股関節が使えていないことが多いです。

 

股関節を使うためには、いかに早く、そして長くペダルに力を加えるかが大事になります。

 

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体のケアが足りていない

 

どんなに適切なポジションにしていても、どんなに体をうまく使っていても、やはり体のケアが足りていないといつか故障をします。

 

筋肉を長時間、そして一定の強度を超えた運動を繰り返すことで筋肉の緊張が高まり、血流が低下することで筋肉が硬くなります。

 

この状態では筋肉は正しいタイミングで働くことができなくなります。そしてこの状態を放置して通常通り自転車に乗ってしまうと、どうしても関節の負荷が大きくなります。

 

したがって、ライド後のケアは欠かせなくなります。

 

具体的には、

 

✔︎股関節周辺のストレッチによる筋緊張の緩和

 

✔︎入浴、マッサージによる血流促進

 

✔︎十分な睡眠

 

✔︎こまめな水分補給

 

になります。血流を促進し筋肉が固まらないようにすることが大事です。

 

 

ライド中の膝の痛み、ご相談ください

 

膝が痛くなった時に考えられる原因とできる対策をまとめました。

 

これらをご自身で試しても、実際にはなかなか解決の糸口が見えないことが多々あると思います。

 

もし出口が見つからないときは、ぜひACTIVIKEにご相談ください。

 

対面のフィッティングから、オンラインでのサポートまで行っています◎

 

 

(1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29234554/?i=3&from=/29872355/related

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この記事を書いた人

西谷亮

バイクフィッター・トレーナー。理学療法士国家資格保有。医学的根拠に基づいた身体評価を武器に一人一人のライドスタイル、レベルに合わせたフィッティングが得意です。2019年にはフランスで行われる”自転車の学会”であるScience&Cyclingに採択されるなど研究活動も行なっています。また”ACTIVIKE”のブランドでプロテインの開発販売も行なっている。 2019年ツールドおきなわ市民140上位完走、2021年富士ヒルゴールド。

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