ロードバイクのペダリングの軸を作る筋肉〜腸腰筋と内転筋〜
上り坂や向かい風みたいにアゲンストな環境は多くの自転車乗りのボトルネックになりやすいけれど、
腸腰筋から内転筋にかけてを鍛えて”体の軸”を作ると楽になると思うのでこの冬ぜひやってみましょう。
きっとライドが今よりさらに楽しくなります👏 pic.twitter.com/lJXed6QimP— にっしー/サイクルセラピスト (@ryoooo_veleno) 2018年12月4日
ロードバイクのペダリングで大切にしたい筋肉は多くありますが、
主要な筋肉でいうと大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスあたりが挙げられます。
ペダルを踏む際に生じる動きは股関節の伸展(股関節を伸ばす動き)と膝関節の伸展(膝を伸ばす動き)がメインになります。これらの筋肉はその作用を担う筋肉たちです。
このブログでも、これらの筋肉を鍛える重要性は発信してきました。
しかし、これらの筋肉だけではスムーズなペダリングは生まれにくいと考えています。
というのも、スムーズなペダリングのためには踏んでいる脚と反対側の脚の動きも無視できないからです。
ペダルを踏んでいる時に股関節と膝関節が伸展するわけですが、この時ペダルを引き上げている反対側の脚は股関節と膝関節が屈曲していきます。
この引き足での下肢の動きを作るのがタイトルに挙げた腸腰筋と内転筋です。
※厳密には内転筋は一括りにはできないですが、長くなるので割愛
これらが働くことで、踏み脚と引き脚が相互にサポートし合う、いわば左右の脚が連動したスムーズなペダリングが実現できると考えます。
1.体幹と脚を直接つなぐ唯一の筋肉が腸腰筋
1.① フォームを作る基礎となる
まず腸腰筋ですが、体幹(背骨)と大腿骨をつなぐ唯一の筋肉です。
股関節と腰椎を曲げる作用があります。
腸腰筋は大腰筋と腸骨筋を合わせた総称です。大腰筋が主に腰を支えて、腸骨筋が股関節の動きを作ります。
ロードバイクに乗っている時、股関節と腰椎(腰の高さの背骨)は伸びきることはなく基本的には曲がっています。下死点にある時も股関節は曲がっています。
ペダリングを端的に表すと、腰椎が曲がった姿勢をキープしつつ、脚を曲げ伸ばしすることとも言えます。
ですので、そもそも腸腰筋はロードバイクのフォームを作るための要とも言える筋肉です。
1.② 腰のブレを抑えてくれる
”ペダルを踏む時に腰が暴れてるよ!”
と言われた経験はないでしょうか。あるいはそんな風に漕いでいる人を見たことはないでしょうか。
ペダルを踏むと同時に、骨盤は踏んでいる側に落ち込みます。
この動きが大きいと、いわゆる”腰が暴れている”という風に見えてしまうのです。
この骨盤の落ち込みを抑えるのも、実は腸腰筋ではないかなと考えています。
落ち込む骨盤を、腰椎から引き上げるようにして抑えているのです。
また、骨盤が落ちる時に、反対側の骨盤は引き上げられます。この時に腰椎は少し引き足側に倒れます。腰椎と骨盤が近づくように動くのです。この作用もまた腸腰筋の作用になります。
腸腰筋は踏み脚でも引き脚でも、重要な働きを担っているのです。
2.脚のブレを抑えてくれる内転筋
2.①ペダルをまっすぐ落とすための支柱
今度は内転筋についてです。
内転筋はその名の通り、脚を内側に閉じる作用があります。
ペダルに効率よく力を伝えるためには、膝頭がまっすぐ落ちることが大切になってきます。
脚が左右にぶれない状態を作ることがポイントになるのです。
内転筋はペダリングにおいて、脚の左右へのブレを制動する役割があると考えています。
2.② 引き足のサポートの役割も
引き足で股関節を曲げる動きを主に担うのは腸腰筋ですが、内転筋もまた股関節を曲げる作用を持ちます。
そして引き足で脚が外にぶれずにまっすぐ上がることで、最終的に踏み脚に移行する時にもまっすぐペダルを踏み込むことができます。
また、内転筋の一部は膝を曲げるようにも働くので、股関節を曲げる動きについてくるように膝も曲がっていきます。
股関節⇨膝関節と、脚の関節が連動して動くということです。
3.引き足は股関節を曲げることを意識する!
引き足を使うというときにありがちなのは”膝を思いっきり曲げる”または”足首を返す”という使い方です。
もちろん脚を曲げる動きは引き足の要なので意識としてはいいのですが、膝や足首など体の末端に近いパーツに頼ると
上体はぶれやすいです。
あくまで股関節を曲げること、それより下は何もないくらいの感覚がいいと思います。
膝の動きも、あまり気にしないほうがいいです。
4.腸腰筋〜内転筋を鍛えてペダリングに活かす筋トレ
軸がぶれ図、左右の足が連動して動くことは特に上り坂や向かい風などのアゲンストな環境ではとても大切になります。
4.① 体育すわりで場所を取らずにながらで1
これ、見た目以上にめちゃめちゃきついです!
◎ポイント
・腰が丸まらないようにする。
・膝と膝の間は拳一個分をキープ
4.② 横になってがっつりと!
5.まとめ
体がぶれずにペダリングをするためには、お尻〜もも裏の大臀筋やハムストリングスだけでなく、ももの付け根〜内側の腸腰筋と内転筋が大切になります。
腸腰筋はフォームの安定化と引き足に重要で、内転筋は膝がぶれずにまっすぐペダルに力を加えるために重要です。
股関節を伸ばす動きだけでなく曲げる動きもスムーズに行えるとペダリングは安定します。
ここで紹介したトレーニングを行なって、ペダリングを綺麗に行えるようになりましょう。
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