無駄のないスムーズなペダリングのコツは股関節にあり!
・ペダリングは膝関節ではなく股関節を主体に行うことが大切!
・大臀筋を意識してペダリングしよう!
・股関節を大きく使うために腰回りまで柔軟にしよう!
多くの自転車乗りの方がペダリングについて悩んでいると思います。
一見単純な動きですが、効率よくスムーズに回さないとうまくスピードを上げられない、維持できない、疲れるなんてことになります。
逆にペダリングを上手にできるようになると、筋力がそこまでなくても速く走る事ができるようになります。
また、正しいペダリングを覚える事で先々の怪我を予防する事にも繋がります。
結論から言うと正しいペダリングとは”膝に頼らずに股関節主体に行うペダリング”です。
股関節の曲げ伸ばしを中心にペダルを動かすことで、膝から下も自然についてくるためスムーズな円運動を実現できます。
スムーズなペダリングのコツは股関節にあり!
ペダルを効率よくスムーズに回すことで疲れにくく、それでいて速く走れるようになります。
そのために大切なのが股関節を上手に使うことです。
そもそもペダリングとは股関節と膝関節の曲げ伸ばしの連続です。
多くの人は1時~4時で膝関節主体に、ペダルを踏む動きに頼ってペダリングをしています。
筋肉でいうと、前ももにある大きな筋肉である、大腿四頭筋に頼ったペダリングです。
膝関節は曲げ伸ばしの動きがメインであり、その上下にある股関節や足関節ほど可動性が大きくありません。
股関節はというと、球体が穴にはまったような形状になっており、非常に可動範囲の広い構造になっています。
可動範囲が広いということは、ゆとりを持ってスムーズな足の曲げ伸ばしをするために非常に重要です。
ペダリングを効率よく行う上で、股関節は構造的に非常に都合の良い関節なのです。
股関節ってどんな関節?
股関節の構造〜骨盤と大腿骨〜
まずそもそも股関節ってどんな形なのか、今一度触れていきましょう。関節を意識する上で、自分の体がどうなっているかを知ることはとても重要です。
股関節は骨盤と大腿骨が連結してできています。
球体ががぽっと穴にはまり込んだ構造になっており、非常に広い範囲で動かすことができます。
股関節の動きの種類
そしてここに、腸腰筋、臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋など脚の動きに主要に関わる筋肉ががまとわりついていきます。
これらの筋肉が大腿骨をあらゆる方向に動かしてくれるわけです。厳密にはもっといっぱいありますが!
股関節の屈伸、内外転、内外旋という動きです。
ペダリングでは厳密には全ての動きが連動して起こっていますが、主には股関節の屈伸によりペダルに力が伝わります。
なぜ股関節主体で漕ぐと疲れにくいか?
ペダリングで特に力を伝えるのに重要なのはダウンストローク、踏み脚です。
股関節でいうなら伸展が重要になります。それらを担うのが大臀筋・中臀筋などの臀筋群とハムストリングスです。
これらの筋肉は遅筋繊維といって、持久性に富んだ筋繊維が豊富です。
そもそもこれらの筋肉は普段の立ち姿勢を取る際に常に働く筋肉です。
日常生活で常に働いている筋肉であり、持久力が求められる筋肉なのです。
その分瞬間的なパワーに欠けますが、長時間連続して運動する自転車においてもこれらの筋肉はとても大切です。
特に大臀筋は股関節の伸展を担う筋肉の中でも一番大きく、重要な筋肉です。
ペダリングにおいても大臀筋を意識することが上達の秘訣です。
”大臀筋を意識する”コツ
そもそも筋肉はどのようにして働くか?
”大臀筋を意識しよう”と言われた時にまず思うのは
”大臀筋の何をどう意識するの?”
ということです。筋肉の場所を知り、関節を動かす時にそこを”意識する”と言われても捉え方は様々です。
ただ力を込めればいいの?とりあえず存在を認識すればいいの?
筋肉を意識する、意外と難しいのです。
このためにまず抑えて欲しいのは、そもそも関節はどう動くかということです。
筋肉は関節を跨ぐようにくっついていて、その筋肉が伸び縮みをします。
筋肉が縮むことで、跨いでいる箇所が近づきあうわけです。
大臀筋の繊維はこのような向きに張り付いています。
この繊維がこう縮むと…
脚が後ろに伸びます。
筋肉の繊維の縮む向きとしては、お尻の穴を閉める方向になります。
これに伴い、脚全体が下に・後ろに伸びます。
大臀筋に限らず、筋肉の動きを意識するときはこの関係性をしっかり認識するといいと思います。
ペダリングと大臀筋
その上で、大臀筋がペダリング中のどのタイミングで作用するかというと、12時の点(上死点)です。
股関節が1番深く曲がっている点です。このタイミングでペダルに力を込められると、大臀筋が作動します。
ペダルへの入力と聞くと下方向に踏み込む動きを意識しがちですが、12時での入力は”下へ”よりも”前に”です。
なぜなら、12時の点ではチェーンは前に動きます。ここで下に踏み込んでもチェーンを動かすという目的においてはロスが大きいのです。
この時のももの付け根を意識すると、股関節が深く曲がった状態で力が発揮されるため、大臀筋が作動します。
大臀筋を意識するためにオススメのワーク
股関節を大きく使ってペダリングするためには腰の柔軟性も重要!
股関節の動きには、大腿骨の上下に加えて骨盤の前傾/後傾も伴います。
骨盤が前傾/後傾を行うためには、股関節そのものの柔軟性もですが腰椎の柔軟性が重要になります。
この時、腰椎の前後の動き、屈伸だけでなく左右の動き(側屈、回旋)も求められます。
運動連鎖といって、1つの関節の動きには隣り合う関節も連動して起こるのです。
腰椎と股関節を柔軟にし、それらが連動して動くような状況を作ることで、ペダリングはスムーズになっていきます。
股関節と腰回りのストレッチが大切になってきます。
自転車に乗りながらできるペダリング練習
上り坂をゆっくり登る
ペダリングの練習に最も手っ取り早いのは上り坂です。
自転車に慣性が効かない分、スムーズにペダルを回さないとしっかり進めることができないからです。
ペダルを踏む動作(=膝で踏む動作)だけではリズミカルにペダルを回せないので、股関節をしっかり使い踏み脚と引き脚を使う必要があります。
勾配でいうなら5%前後の坂を、一番軽いギアを使い”回す”意識を持ちながらペダリングしましょう。
平地を重いギアでじっくりと
上り坂がそもそもしんどいという場合は平地を思いギアでじっくり低いケイデンスで走るという練習も有効です。
筋肉は負荷量が大きいほど多くの筋繊維が働きます。それだけ脳への感覚入力が多いので体の使い方を覚えやすいのです。
ケイデンスでいうなら50以下といったところでしょうか。ここで踏む時にお尻の筋肉が、引く時にももの付け根が働くのを感じ取りながらペダリングをしましょう。
効果絶大!片足ペダリング
読んでそのまま、片足ペダリングです。
片方の足だけでペダルを回します。単純に聞こえますが、とても難しいですよ!
片方の足が使えない分、体幹がブレないように普段より注意する必要があります。
体幹のブレを抑える時に腸腰筋が働きますので、片足ペダリングを習得する頃には股関節主体のペダリングを覚えていることでしょう。
自転車に乗らなくてもできるペダリング練習
自宅でテレビを見ながら…
腰から股関節を連動して使う練習は家でも簡単にできます。
①長坐位(足をまっすぐ前に伸ばして地べたに座る)
②腰に手を当てる
③お尻を交互に持ち上げて前に進む。(お尻歩きをする)
④10歩進んだら後ろにまた10歩戻る。
※ポイント
・骨盤から下は完全に脱力!逆にこれができない場合腹筋が使えていないです。
・持ち上げてからお腹を捻るように意識する。
通勤の合間に…
冒頭でも少し触れましたが現代人は椅子に座る時間がとても長いです。
昔のように和式生活ではなくなってきているため床に座り込んだりなどはしないし、仕事も多くはデスクワークになります。
ほとんど股関節を使わないで生活できてしまうわけです。
使わない関節は感覚が鈍るので、いざ運動!となっても使い方がわからないわけです。
しかしだからと言って一日動きっぱなしでも生活しろというのも無理な話です。
なのでせめて、通勤時間に大きく体を使う意識は持てると良いと思います。
なるべく階段を使う、段飛ばししてより大きく股関節を使う。
デスクワークの合間に必ず立つ習慣を設ける、など。
これはスポーツはもちろん、日常的な腰痛肩こりにも有効でしょうね。
6.まとめ
①股関節を意識して疲れにくいペダリングを体得しよう!
②筋肉が縮むことで関節が動くので、筋肉の伸び縮みを意識する
③腰椎と股関節が連動して動くようにストレッチ!
④お尻歩きをしたり日常的に股関節を使う時間を増やそう!
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