ACTIVIKE(アクティバイク)

富士ヒル本番に失敗しない!コース対策とトレーニング完全ガイド

Pocket

富士ヒルに挑戦するサイクリストにとって、「リングを取れるか」「完走できるか」は最大の関心事ですよね。

 

特に初挑戦の方や、次のステップとしてブロンズやシルバーを目指す方にとって、的確なトレーニング方法とコース対策は欠かせません。

 

この記事では、富士ヒルで成果を出すための具体的なポイントを「共通の基本対策」と「リング別の目標とトレーニング方法」の2つに分けて解説します。これを読んで、ぜひ本番での成功を掴んでください!

 


 

富士ヒルの基礎情報

富士ヒル(正式名称:Mt.富士ヒルクライム)は、富士スバルラインを走る24km、平均勾配5%のヒルクライムレースです。
5合目までの標高差1,200mに挑む本格的なコースで、参加者の目標タイムやリング取得が注目される日本最大級のイベントです。

 


 

【1】富士ヒル本番に向けた共通の基本対策

 

コースを知ること(試走をおすすめ)

富士ヒルの序盤5kmは斜度が7~8%ときつめの設定になっています。この特徴を知らずに序盤からペースを上げすぎると、後半で失速してしまいます。可能であれば試走してコースの感覚を掴みましょう。試走が難しい場合は、序盤を抑えるペース配分を意識するだけでも成果に繋がります。

 

標高と酸素の影響を理解する

スタート地点の標高は1,000m、ゴール地点では2,200mに達します。このため、酸素が薄くなる影響で出力(パワー)が5~10%低下します。普段の練習環境でFTPの85~90%程度の強度を目安に、ペース配分を事前に考えておきましょう。

 

補給の準備を忘れない

富士ヒルは90分以上の運動になるため、補給が非常に重要です。40分ごとにジェルや糖質入りドリンクを摂取し、低血糖やエネルギー不足を防ぐ練習も忘れずに行いましょう。

 


 

【2】リング別の目標とトレーニング

 

ブルーリング(完走目標)

 

ブルーリングを目指す場合、最優先すべきは「最後まで登り切ること」です。

 

無理なスピードを追求せず、一定ペースを維持することが成功の鍵となります。

 

練習では、90分以上足を止めずにペダリングを続けることで、有酸素運動能力を養い、筋肉の疲労を抑える習慣を身に付けましょう。

 

また、補給食を使った練習も行い、レース中にエネルギー不足に陥らないよう準備を整えます。完走を目指すレベルであっても、ペース配分を意識した走りが大切です。

 

ブロンズリング(90分以内目標)

 

ブロンズリングを目指す場合は、体重の3倍(3.0W/kg)を90分間維持することが求められます。

 

この目標を達成するためには、週10時間以上の乗車時間を確保し、平日に30~60分の短時間練習を行いつつ、週末にロングライドを取り入れることが効果的です。

 

また、ペダリングスキルを磨くことも重要で、滑らかなペダリングを習得することで脚への負担を減らし、効率的に力を伝えることができます。

 

こうした基礎能力を作り上げることが、90分以内の走破に繋がります。

 

シルバーリング(75分以内目標)

 

シルバーリングでは、体重の約4倍(4.0W/kg)を75分維持する力が必要です。

 

このレベルに達するためには、FTPの90%で20~30分を維持する「SSTトレーニング」を週2~3回行うことが有効です。

 

また、20分×3本のインターバルトレーニングを行うことで、長時間にわたり高い強度を維持する筋持久力を養うことができます。

 

この強度で走り切るためには、補給も重要な役割を果たします。ドリンクに糖質を加えたものを使用することで、登坂中もエネルギーを効率良く補給する練習をしておきましょう。

 

ゴールドリング(65分以内目標)

 

ゴールドリングを目指す場合、体重の4.5倍(4.5W/kg)を65分間維持する必要があります。

 

このレベルの出力を達成するためには、FTP以上の強度に耐えるトレーニングが欠かせません。15~20分間の高強度インターバルトレーニングを週に2回行い、FTPの90~95%の強度で30分を2本行うなど、長時間高負荷に耐える練習を積み重ねましょう。

 

また、週15時間以上のトレーニング時間を確保し、月間走行距離1,000kmを目指すことで、有酸素能力と持久力を高める必要があります。本番では序盤のペース配分を徹底し、後半に失速しないために余力を残すことも重要な戦略です。

 


 

トレーニングで失敗しないための3つのポイント

  1. 毎回追い込まない
    週に2~3回の高強度トレーニングに絞り、他の日は低強度でリカバリー。追い込みすぎると回復が追いつかず、パフォーマンスが下がります。

  2. 頻度を増やす
    1回の長距離ライドより、短時間でも頻繁に乗る方が効果的。平日に30~60分を確保し、刺激を与え続けましょう。

  3. ケアもセットで行う
    ストレッチやマッサージ、栄養補給をしっかり行い、体を整えることもトレーニングの一環です。

 


 

まとめ:富士ヒル本番で成功するために

富士ヒルの成功は、正しいペース配分と計画的なトレーニング、そして適切な補給が鍵です。自分の目標リングに合わせて練習を行い、本番では富士山の絶景を楽しみながら、達成感を味わいましょう!

この記事を書いた人

西谷亮

バイクフィッター・トレーナー。理学療法士国家資格保有。医学的根拠に基づいた身体評価を武器に一人一人のライドスタイル、レベルに合わせたフィッティングが得意です。2019年にはフランスで行われる”自転車の学会”であるScience&Cyclingに採択されるなど研究活動も行なっています。また”ACTIVIKE”のブランドでプロテインの開発販売も行なっている。 2019年ツールドおきなわ市民140上位完走、2021年富士ヒルゴールド。

この著者の記事一覧

コメントは受け付けていません。

Pocket

あなたのお体、ライドのスタイル、レベルに合わせてフィッティングを致します

ご予約はこちら ご予約はこちら arrow_right
PAGE TOP