ペダリングの感覚をつかみにくい理由は肩にある?
先日、CROSS COFFEEのイベントでヒルクライム向けのペダリングやフォーム指導を行うイベントを行いました。
詳細は後日。
ヒルクライムを少しでも楽にこなす上で体の使い方とフォームを指導するようにしました。
しかし、やはり体幹や股関節の感覚を捉えるのは難しいという方もいらっしゃいました。
フィッティングやパーソナルトレーニングにおいても体の使い方は指導しますが、
自転車において重要な、体幹や股関節の感覚を掴む段階でつまずく人はとても多いです。
指導者としても、人それぞれ感じやすいポイントが違ったりするため難しいことも多いです。
そうして試行錯誤していく中で気づいたことがあります。
体幹と股関節に意識を持ちにくい理由は、肩にあるのではないのかと。
1. 肩が固定されることで体幹も力が発揮できなくなる
自転車は他のスポーツと違って肩と足首を固定された姿勢で体幹と股関節に意識しなければいけないわけですが、特に肩が固定されてしまうことが1つの大きな障害になっています。
ハンドルを持ちバイクを操作しながら脚も動かし続けるという要素は他のスポーツにはないところです。
ランニングにしてもスイムにしてもサッカーにしても、他のスポーツは基本的に姿勢が固定されません。
だから全身を使う感覚を捉えやすいと思います。
自転車のように肩が固定されると、連鎖的に胸郭(胸周りの肋骨に囲まれたかご)が開いた状態で固定されます。
胸郭には腹筋群と背筋群が付着しており、胸郭が柔軟であることでこれらの筋肉もより力を発揮して全身のパフォーマンスにつながります。
その胸郭がほとんど動かないわけです。
当然、腹筋や背筋も力を発揮しにくくなってしまいます。
2. 体幹ができていないと股関節も使いにくい
ここからはいつもの流れです。
腹筋や背筋、言ってしまえば体幹の筋肉が機能しないと骨盤も安定しないため、股関節周りの筋肉も力を発揮しにくくなります。感覚もつかみにくくなります。
そうなると膝に頼るようなペダリングにならざるを得なくなります。
筋肉でいうなら、大腿四頭筋です。
ペダルに大きな力を発揮するために大切な筋肉ですが、疲れやすい筋肉でもあります。
股関節まで脚全体を使い、効率的なペダリングをする目的は大腿四頭筋を守るためと言っても過言ではないです。
3. 肘を伸ばさないようにすることで自然と肩までリラックスさせる
要するに体幹や股関節を意識するためには、ハンドルに体重が乗りすぎないように自転車に乗ることが肝になります。
こうすることで肩まで筋肉が固定されることは無くなります。
ただ、路面のギャップ等でハンドルから手が溢れるとそれはそれで危険なので、しっかりと握ることは必要です。
そうしながらも肩をリラックスさせるためのポイントは肘をぴーんと伸ばさないこと。
肘が伸びていると二の腕の筋肉まで緊張してしまい、連鎖的に肩まで固定されてしまいます。
”肘に上半身を乗せるように”と自分は指導することが多いです。
ハンドルに体重が乗りすぎないことで、体の重心もサドルとペダルに近づいていきます。
そうなるとより体重をうまく利用することができるわけです。
4. まとめ
もし、体幹や股関節の感覚をつかみにくい場合、まずは肩の力を抜くことから始めてみましょう。
そうすることで胸郭がリラックスし、連鎖的に体幹から股関節を意識しやすくなります。
そのためのコツは肘を伸ばさないように意識することがポイントです。
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