ロードバイクに乗る時の膝の痛みの原因と対策のためのストレッチ&筋トレ
改めて感じたことなのですが膝痛める人は本当に多いです。
地面に直接足を付けないことで基本的に負荷はかからないため、基本的には体への負担は少ないはずなのですが、実際には自転車に乗っていると膝が痛くなるという人は多いようです。
また膝の痛みと一言に言っても、それが出る場所は様々です。
ここでは膝の痛みの部位ごとの対策のためのストレッチや筋トレをまとめています!
ロードバイクに乗るたびに膝が痛いという方や、
膝痛を予防していきたい方にはぜひ読んでほしいです。
1.大腿四頭筋の構造と役割
膝の前の痛みは主に大腿四頭筋によるものが多いです。
まずはその大腿四頭筋とはなんなのかといったところを見ていければと思います。
・大腿四頭筋とは?
膝の前に着くのは大腿四頭筋という筋肉です。
外側から外側広筋・大腿直筋・内側広筋が表面になります。
ちなみにこの三つを剥がすと中間広筋があります。
大腿直筋は膝を伸ばすだけでなく、股関節を曲げる働きもあります。踏み足にも引き足にも仕事しますが、反面オーバーワークも生じやすい筋肉です。
外側広筋と内側広筋は膝を伸ばすという仕事のみですが、膝を左右からしっかり支える役割もあります。
中間広筋は膝の土台を作る感じです。
大腿四頭筋の多くは速筋線維です。高い筋力を発揮できる反面、持久力に乏しいという側面があります。
疲労しやすい大腿四頭筋を上手に使わないと、ペダリングを続けるに伴い関節を上手にサポートできなくなり、痛みにつながります。
2.ロードバイクのペダリングで膝が痛くなるメカニズム
2.①膝を支えてくれる内側広筋と外側広筋、中間広筋
大腿四頭筋は踏み足で膝をしっかり支え、ペダルにしっかりパワーを伝える筋肉であり、関節を支えるのは主に内側広筋と外側広筋、中間広筋になります。
この3つがバランスよく働くことで、膝のお皿である膝蓋骨の上につく靱帯;膝蓋靱帯の負担をサポートできます。
なので逆に、このバランスが崩れた時に、上のアンケートのように膝の痛みが内側だの外側だのに出てくるわけです。
2.②膝の痛みの原因の多くは股関節と足首にある
ではこのバランスがなぜ崩れるかというと、股関節や足首の動きが多くは関係していきます。
下半身をなす関節の中で、実は膝関節は一番可動性が少ないです。逆に股関節と足首は前後左右あらゆる方向に動きます。つまり股関節や足首の動きが悪くなると、そのツケは間にありかつ可動性の低い膝関節に来て、負担が増大していきます。
なので膝の痛みに対して膝のマッサージやストレッチをしても場当たり的な対策にしかならないのです。
無意味というわけではありませんしそれはもちろん大切ですが、根本解決にはならないことが多いです。
膝の動きを他の関節で手伝ってあげるように体を整える必要があります。
3.ロードバイクに乗っている時の膝の”内側”の痛みの原因と対策
3.①内転筋が固いことで膝が内側に入ってしまい、膝の内側の負担が増大する
ニーインとは膝が内側にキュッと向いてしまうこと。
一度ご自分のペダリングを見てみてください。踏み足に入ると内側に入っている人は注意が必要です。
ニーインする方の多くは臀筋(お尻の筋肉)や外側のハムストリングスが弱く、内転筋や内側のハムストリングスなどの内ももの筋肉が硬いことが多いです。
ちなみにガニ股で下ろす方は臀筋が硬く、内転筋が弱いです。
※弱い=筋肉が伸びきっていて縮む力が出せない、硬い=伸び縮みしにくい
股関節を外に広げる臀筋が弱い分、内側に閉じる内転筋が頑張り過ぎてしまい硬くなるというイメージです。
3.②おすすめケアと筋トレ
ここで自身でできるケア、予防ですが
・硬い筋肉はストレッチ、弱い筋肉は筋トレで補強する。
・その上でペダリングを意識して補正する。
・あるいはそれができるポジションに調整する。
が中心になります。
なのでニーインしてしまう人の場合、内転筋や内側ハムストリングスのストレッチやマッサージがオススメです!
両足を開くのが難しい場合は片足ずつやりましょう。
合わせて行って欲しいのは内転筋と内側広筋の間のマッサージ。
図は右脚を内側から見た図です。
太ももの内側のちょうど真ん中のあたりで内側広筋と内転筋をはがすようにマッサージすると良いでしょう。
そして重要なのが臀筋とハムストリングスの強化です。代表的なのがヒップアップですね。
図の赤丸のように、お尻がキュッと縮むのを感じ取りましょう。
また足は少し開き気味に!
お尻でよりも、もも裏に強く張りを感じる場合は少し膝を深く曲げると良いです。
また簡単すぎる場合は両手が床と垂直な状態でまっすぐあげたり、片足をあげた状態でやると負荷が上がります。
・開脚ストレッチ20秒×2セット
・ヒップアップ 30回×3セット
・両手をあげてヒップアップキープ 30秒×3セット
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4.ロードバイクに乗っている時の膝の”外側”の痛みの原因と対策
4.①上死点でガニ股になる人は注意が必要
ガニ股で踏み下ろしてしまうと膝は外に向いた状態で踏みおろすことになりますよね。
ガニ股の時には太ももの外側にある筋肉や靭帯が縮んだ状態になってしまいます。
これらは最終的に膝から下の骨、脛骨に付いているので、ガニ股で踏むと膝が伸びきる前に脛骨の外旋が加わってしまう状況になるわけです。
なので下死点で膝の逃げ場がなくなってしまう状況ができてしまいます。
これにより膝の周りに様々な痛みを生じることになります。
外側広筋もですし、腸脛靭帯の痛みにも繋がりやすいです。
ガニ股のさじ加減が難しいですが、膝が骨盤の幅より外側に出なければいいと思います。
またつま先の向きなどもこの捻りを考慮すると非常に重要です。
4.②ガニ股になる原因は臀筋や大腿筋膜張筋の硬さ
ペダリング中にガニ股漕ぎになる自覚のある人は臀筋や大腿筋膜張筋の硬い可能性があります。
※大腿筋膜張筋とは?
股関節を前から支える筋肉です。膝のサポートにも少し関わっています。
場所はこの辺りで、長座になった状態での太ももの付け根の外側です。
そしてこの硬さの原因が内ももの筋肉である内転筋や脚の付け根の腸腰筋の弱さが関係している可能性があります。
4.③おすすめケアと筋トレ
大腿筋膜張筋はマッサージがしやすいです。
この部分を手の付け根の骨でマッサージしてあげましょう。
臀筋のストレッチはこちら。背中が丸まらないように注意しましょう。
じわじわくる系。
お腹と股関節のインナーマッスル(腹横筋と腸腰筋)の強化。
股関節を安定させられるので、ペダリングでハムとか臀筋の出力アップに繋がります。両脚を同時に動かすことと、骨盤が動かないように腹筋でコントロールすることが要です。 pic.twitter.com/2Yp6RkXFW9
— にっしー/自転車乗りの理学療法士 (@ryoooo_veleno) 2018年7月11日
※腹横筋と腸腰筋の強化とありますが、内転筋にも効きます!
内転筋の強化については、椅子に座った状態でゴムボールを両膝で挟んだりなんかでもできたりします。
・大腿筋膜張筋のマッサージ
・臀筋ストレッチ20秒×2セット
・腸腰筋〜内転筋エクササイズ(上の動画) 30回×3セット
5.ロードバイクに乗っている時の膝の中央の痛みの原因と対策
5.①下死点で膝が伸びきってしまう人は注意!
下死点まで踏み降ろしたときに膝がまっすぐ伸びきってしまう状態になると大腿四頭筋が縮みきった状態になります。
またロードバイクは前傾姿勢になっており、骨盤が前にお辞儀している状態であることが多いです。
骨盤がお辞儀していて、かつ膝が伸びきっている状態になるわけですね。
この状態で、大腿四頭筋のうちもっとも負担が大きいのが大腿直筋です。大腿直筋は大腿四頭筋で唯一、股関節と膝関節にまたがる筋肉です。
この状態でペダリングを続けると膝の中央の痛みに繋がりやすいわけです。
なのでロードバイクに乗っている時の膝の中央の痛みの予防には
①下死点で膝が伸びきらず、かつ曲がりすぎないこと
②骨盤が固められないこと(=骨盤がお辞儀しすぎないこと)
が大切ということです。
5.②膝の中央の痛み対策のポジション調整
ポジションとしては主にサドルの高さを調節していきましょう!
下死点で横から見た時に膝がくの字(だいたい150度くらい)だとちょうど良いです。
よく言われるように膝がつま先を超えないくらいにすると良いでしょう。
というのもサドルが後ろにありすぎると、股関節は深めに曲がる上に、下死点に向かうにつれて足を前に蹴りだすような体制になってしまいます。
大腿直筋が至適長より短い状態で漕ぎ続けることになるわけです。
また前にありすぎても大腿四頭筋が至適長より長い状態で漕ぎ続けることになります。
5.③膝の中央の痛み対策の筋トレ
この場合に有効なストレッチはハムストリングスの強化です。
膝が伸びきることも問題ですが、伸びた状態での膝のサポートが弱いということも考えられるからです。
大腿直筋と拮抗している、ハムストリングスの柔軟性に欠けていると膝のサポートが弱くなります。
ハムストリングスの強化も、先ほどもオススメしたヒップアップがおすすめです。
ただし臀筋よりもハムストリングスの強化に主眼を置くので、膝は少し伸ばし気味にやりましょう。
また合わせて、腹筋の強化もおすすめです!なぜなら、大腿直筋と腹筋はともに骨盤につながっているため、骨盤ののかなポートのために腹筋が働けば大腿直筋の緊張は抜けやすくなります。
また、足首や足の指も強化も大切です。足首が安定することでより踏み足もロスなく行えるようになります。
・ヒップアップ 30回×3セット
・クランチ 30回×3セット
・足の指曲げ伸ばし 100回
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6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
膝の痛みの出る場所ごとにストレッチも筋トレもポジション調整も変わって来ます。
今一度ペダリングを見直し、自転車を楽しめる体づくりをしていきましょう!
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