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LSDの大きな3つのメリット

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今日は、ロードバイクのトレーニングにおいて、一見すると「え?そんなことで速くなるの?」と思ってしまうような、でも実はプロ選手も大切にしている「王道中の王道」のトレーニングについてお話ししますね。

 

その名も「LSD(ロング・スロー・ディスタンス)」です。

 

「長く、ゆっくり走る」。

 

字面だけ見ると、「ただのサイクリングじゃないか」「速く走るためには、キツい思いをして追い込まないといけないんじゃないか?」って思われますよね。

 

50代のベテラン世代の方なら、「根性で乗り越える」というスポ根的なイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

 

でも、実はこの「ゆっくり走る」ことこそが、速く、そして長く走り続けるための最強の土台作りになるんです。

今日は、なぜこのLSDが私たちホビーサイクリストにとって重要なのか、そのメリットや具体的な取り組み方を、専門的な理屈も噛み砕きながら、たっぷりとお伝えしますね。

 

明日からのライドが、きっともっと楽しく、有意義なものに変わるはずです!

 

1. LSDとは?「ゆっくり」だけど「ダラダラ」ではない

 

まず最初に、言葉の定義を少しだけ修正させてください。

 

LSDは一般的に「Long Slow Distance(長くゆっくり距離を走る)」と訳されますが、僕たちトレーナーの間では「Long Steady Distance(長く”一定のペースで”距離を走る)」と解釈することをお勧めしています。

 

信号待ちや休憩で止まってばかりの「ゆるポタ」とは少し違います。

 

ペダルを止めずに、一定の負荷(強度)を筋肉にかけ続けることがポイントなんです。

 

強度の目安は、「会話ができるレベル」です。

 

「ハァハァ」と息が上がるような強度ではなく、隣の人と笑顔でおしゃべりができるくらいの余裕がある状態。

 

専門用語で言うと「ゾーン2(L2)」と呼ばれる領域ですね。

 

では、なぜこの「楽な強度」で走り続けることが、速くなることにつながるのでしょうか?ここからが面白いところです。

 

 

2. メリット①:「エネルギー工場」をリニューアルする

 

一つ目の大きなメリットは、体の中にある「ミトコンドリア」という細胞が元気になることです。

 

ミトコンドリアという言葉、理科の授業で聞いたことがあるかもしれません。

 

これ、筋肉の中で酸素と栄養(糖や脂肪)を取り込んで、運動するためのエネルギーを作り出してくれる「工場」みたいなものなんです。

 

LSDのような低強度の運動を長く続けると、体は「もっと効率よくエネルギーを作らなきゃ!」と反応して、このミトコンドリアの数を増やしたり、機能を良くしたりしてくれます。

 

例えるなら、「古くて小さな町工場」が、「最新設備の整った巨大工場」に生まれ変わるようなイメージです。

 

工場が大きくなれば、それだけたくさんのエネルギーを効率よく作り出せるようになりますよね。

 

これが、長く走ってもバテないスタミナの正体であり、基礎的な「有酸素運動能力」の向上につながるんです。

 

3. メリット②:「脂肪」を燃やせる体になる

 

二つ目のメリットは、ダイエットを気にされる方には朗報です。「脂肪燃焼能力」が高まるんです。

 

自転車を漕ぐエネルギー源には、大きく分けて「糖質(ごはんやパン)」と「脂質(体脂肪)」の2種類があります。

 

• 高強度の運動(坂道ダッシュなど): すぐにエネルギーになる「糖質」をたくさん使います。

 

• 低強度の運動(LSDなど): 燃費の良い「脂質」をメインに使います。

 

LSDで「脂質」を使う回路を刺激し続けると、体は脂肪をエネルギーに変えるのが上手になります。するとどうなるか?

 

普段のライドでも、限りのある「糖質(ガソリン)」を節約して、無尽蔵にある「脂質(体脂肪)」をエネルギーとして走れるようになるんです。

 

これができるようになると、ロングライドの後半でお腹が空いて力が出なくなる「ハンガーノック」になりにくくなりますし、レースの勝負どころまで「糖質」という虎の子の燃料を温存できるようになります。

 

「脂肪を燃やして走る」。まさにハイブリッドカーのように燃費の良い体に進化できるわけです。

 

これは、加齢とともに代謝が落ちてくる我々世代にとっても、非常に嬉しい効果ですよね。

 

 

4. メリット③:フォームとペダリングの修正ができる

 

三つ目は、スキルの話です。LSDは強度が高くないので、脳みそや心肺機能に「余裕」があります。

 

この「余裕」があるうちに、自分の体の動きを見直すことができるんです。

 

ゼーハー言いながら激坂を登っている時に、「股関節の角度はどうかな?」とか「背中のフォームは綺麗かな?」なんて考える余裕、ないですよね? 必死すぎてフォームなんてぐちゃぐちゃになりがちです。

 

でも、LSDなら冷静に自分の体と対話ができます。

 

• 「ちゃんと股関節からペダルを踏めているかな?」

 

• 「肩に力が入ってないかな?」

 

• 「おへその下から体が倒せているかな?」

 

こういった細かい身体操作を確認しながら、何千回、何万回とペダルを回すことで、「正しい動き」を体に刷り込ませることができるんです。

 

悪いフォームでいくらハードな練習をしても、怪我のリスクが高まるだけです。LSDは、正しいフォームを無意識レベルでできるようにするための、最高の「反復練習」の時間なんですね。

 

5. メリット④:高い強度に耐える「土台」ができる

 

最後、四つ目はトレーニング全体の話です。LSDは、すべてのトレーニングの「土台(ベース)」になります。

 

高いビルを建てるには、深く広い基礎工事が必要ですよね? 木で例えるなら、太い幹を支えるには、広く張った根っこが必要です。

 

LSDで毛細血管を増やし、ミトコンドリアを増やし、基礎体力をつけること。

 

これがまさに「基礎工事」や「根っこ」の部分にあたります。

 

この土台がしっかりしていない状態で、いきなり高強度のインターバルトレーニング(ビルの高層階を作る作業)をしても、体は耐えきれません。

 

すぐに疲労困憊になったり、怪我をしてしまったり、あるいはすぐに頭打ちになって成長が止まってしまいます。

 

逆に、LSDでしっかりとした土台を作っておけば、その後の高強度トレーニングの効果も吸収しやすくなり、結果としてFTP(1時間出し続けられるパワーの最大値)の向上など、トップスピードや登坂力のアップにもつながっていくんです。

 

「急がば回れ」という言葉がありますが、LSDはまさにそれ。遠回りに見えて、実は強くなるための最短ルートだったりするんですよ。

 

 

実践!LSDの具体的なやり方と注意点

 

では、実際に明日からどうやって取り組めばいいのか、具体的なポイントをまとめますね。

 

① 強度は「ゾーン2」厳守! とにかく「頑張らない」ことが大切です。

最大心拍数の60〜70%程度、FTPの75%以下を目安にしてください。

感覚としては「こんなに楽でいいの?」と思うくらいでOKです。

坂道でどうしてもキツくなるなら、一番軽いギアを使って、ゆっくり登ってください。

決して息を切らしてはいけません。

 

② 時間は「90分以上」を目安に LSDの効果が出始めるのは、走り出してからある程度時間が経ってからです。

できれば1回あたり90分〜2時間以上、止まらずに走り続けられると理想的です。

信号の少ないサイクリングロードや、平坦なコースを選ぶのがおすすめです。

 

③ 頻度は「週1〜2回」から 週末のロングライドをこのLSDに置き換えるだけでも十分効果があります。

もし平日にお時間が取れるなら、週2回ほどできるとさらに効果的です。

 

④ 一番の敵は「退屈」と「誘惑」 実はこれが一番難しいかもしれません(笑)。

ゆっくり走っていると、つい前の人を追い抜きたくなったり、坂道でグッと踏みたくなったりします。そこをグッとこらえて、「今日は心臓と血管を育てる日だ」と割り切る自制心が必要です。

また、景色が変わらないと飽きてしまうので、オーディオブックを聴いたり、仲間とおしゃべりしながら走る(カフェライドなど)のもおすすめですよ。

 

⑤ 補給はしっかりと! 強度が低いからといって、何も食べないのはNGです。

脂肪を燃やすためにも、着火剤となる糖質や水分は必要です。

お腹が空ききる前に、こまめに補給してくださいね。

 

 

まとめ:50代からの自転車ライフを豊かにするために

 

いかがでしたでしょうか?

 

LSDは、決して「楽をしてサボっている」わけではありません。

 

「未来の自分のために、体の基礎をじっくり育てている時間」なんです。

 

特に私たちのような市民サイクリストにとって、怪我なく、健康的に、そして長く自転車趣味を楽しむためには、このLSDの考え方は非常に相性が良いと思います。

 

ガムシャラに走って疲労困憊になる週末も良いですが、たまには心拍計とにらめっこしながら、「今日は絶対に心拍数を上げないぞ」というゲーム感覚で、じっくりとLSDに取り組んでみてはいかがでしょうか?

 

数ヶ月後、久しぶりに峠に行ってみたら、「あれ?なんか楽に登れるぞ?」と感じる瞬間がきっと来ます。

 

その時の感動を、ぜひ味わっていただきたいです。

 

焦らず、じっくりと。

 

一緒に「10年先も走れる体」を作っていきましょう!応援しています。

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