【必ず股ずれが起きてしまう原因とは?】
ロードバイクに乗っている人なら、一度は経験する「股ずれ」。
走行後に股間がヒリヒリしたり、赤くなったり、ひどいときには皮膚がただれてしまうこともあります。
「毎回必ず股ずれが起きてしまう」「原因がよくわからない」という声もよく聞きますが、実はこれはある条件が重なったときに必ず発生するトラブルです。
今回は、股ずれが起きる理由とその対策を、最新のスポーツ科学の視点からわかりやすく解説していきます!
少しでも対処することで変わってきます!
目次
1. 股ずれは皮膚の「構造ダメージ」
まず理解しておきたいのは、股ずれとは単なる「擦り傷」ではなく、皮膚の構造が破壊されるダメージ反応だということです。
皮膚は外側から「角質層」「表皮」「真皮」という3層構造になっていますが、股ずれでは主に角質層と表皮がダメージを受け、そこに炎症反応が起こります。
長時間のライドでこのダメージが蓄積すると、痛み・赤み・水疱・化膿といった症状が現れます。
2. 股ずれになる3つの原因
①摩擦
ペダリング中、サドルとパッド、そして皮膚の間ではわずかな「ズレ」が生じます。
この微細な動きが皮膚表面に繰り返しの摩擦を与え、角質層を徐々に削っていきます。
特に注意すべきなのは以下のような状況です:
✅パッドが劣化している
✅パンツが身体にフィットしていない
✅ペダリングが左右非対称になっている
✅長時間のダンシングで太ももとサドルが擦れる
摩擦は「蓄積ダメージ」なので、30分程度のライドでは何ともなくても、2〜3時間走ると一気に症状が出てきます。
②湿気
湿気は、股ずれのダメージを数倍に悪化させる要素です。
汗、雨、尿の微量な漏れなどによって股部が湿った状態になると、皮膚のバリア機能が弱まり、外部刺激に対する耐性が落ちてしまいます。
湿った皮膚は「ふやけた指の皮」と同じようにデリケートになっており、わずかな摩擦でも傷つきやすくなります。
夏場の高温多湿ライドや、雨天ライド後の放置などでは、湿気が一気に高まります。
③圧力
サドルに体重を預けた状態が長く続くと、皮膚や筋肉の下にある毛細血管が圧迫されて血流が悪くなります。
これが皮膚の回復力を低下させ、炎症を促進する要因になります。
特に注意が必要なのは次のような状況:
✅サドルの前後角度が合っていない(前下がりや水平でない)
✅骨盤が左右非対称に動く
✅サドルが硬すぎて圧が一点に集中している
皮膚にかかる圧力と摩擦、湿気が合わさることで、慢性的な皮膚炎に進行してしまうケースもあります。
3. 股ずれが「必ず起きる」ケースとは
上記3要素(摩擦・湿気・圧力)がすべて重なると、股ずれは高確率で発生します。
以下のような条件が揃っている場合は要注意です:
✅気温30℃以上の中を3時間以上走行
✅パッド付きショーツが劣化している、またはフィットしていない
✅シャモアクリームなどの潤滑剤を使用していない
✅サドルフィッティングが不適切(角度・高さ・前後位置)
このような条件では、皮膚の防御機能が破壊されていき、いくら筋力や耐久力があっても、皮膚だけが先に悲鳴をあげてしまうのです。
4. 自分で出来るセルフ股ずれ対策
股ずれをできる限り防ぐためには、先ほどの3要素をできる限り減らす工夫が重要です。
以下の対策を取り入れてみましょう。
✅良質なビブショーツを使う(パッドの形状・厚み・通気性に注目)
✅伸縮性があり肌としっかり一体化するタイプを選ぶ
✅使用後は洗濯して劣化していないかを定期確認
✅毎回洗濯し、完全に乾かしてから使用
✅シャモアクリームの活用(パッドに塗布しておくことで潤滑性を確保)
※敏感肌用や抗菌成分配合タイプを選ぶとより安心
✅ライド後はすぐに着替えてシャワーを浴びる
✅バイクフィッティングを受けサドルの高さ・角度・前後位置を適正に調整。
ペダリングの左右バランスもチェックすることで摩擦軽減
5. それでも痛みが出たときは
もし股ずれの症状が出てしまった場合は、早めのケアが大切です。
✅患部を洗って清潔に保つ
✅ワセリンや保湿剤で皮膚の再生をサポート
✅赤みや腫れが続く場合は皮膚科を受診し、抗生物質入り軟膏を処方してもらうのが望ましいです
悪化を放置すると、膿が溜まる「膿瘍(のうよう)」や、坐骨神経痛にまで発展することもあります。
痛みを我慢するのではなく、早めに手を打つことが快適なライドにつながります。
6.まとめ
原因を理解すれば股ずれはできる限り防げます。
股ずれは「体質だから仕方ない」「長く乗ってるから当たり前」と思われがちですが、実は科学的に見れば明確な原因があり、対処可能なトラブルです。
あなたのライドが快適で、痛みなく続けられるように、今日からぜひ見直してみてください!
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