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【今話題の前重心のサドル位置ってどうなの?】

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ロードバイク界隈で最近よく耳にする「前のりポジション」。

 

 

特にヒルクライマーやタイムトライアル志向のライダーの間では好む人が一定数います。

 

 

でも、「流行ってる=正解」ではないのがバイクフィッティングの奥深さ。

 

この記事では、前乗りのメリット・デメリット、合う人・合わない人の特徴、そして実際に取り入れる際の注意点を、フィッターの観点から解説していきます。

 

 

1.前乗りって、そもそもどんなポジション?

 

 

「前乗り」とは、サドルを前に出したり、前寄りに座ることで、体重をよりペダル側にかけるポジションのことです。

 

上体を前に出すことでサドルへの荷重を減らしてペダルとハンドルへの荷重を増やします。

 

 

このセッティングは、骨盤を立てやすくし、股関節の可動域が広がり、ペダリング効率が上がると言われています。

 

 

実際、プロのTTバイクのセッティングでは前乗りが一般的。

 

最近ではロードバイクでも、前乗りポジションを採用する選手が増えてきています。

 

 

2.前重心のメリット:効率と出力の安定感

 

 

まず注目したいのは、ペダルに対する踏みやすさが向上すること。

 

サドルを前に出すことで体の重心が前に行き、ペダルにより体重を乗せやすくなります。

 

また、股関節の詰まりが軽減されるため、”回しやすい”と感じやすいです。

 

 

もう一点大きいのは、トルク伝達がダイレクトに感じられること。

 

前に座ることで脚の真下にペダルがくる時間が長くなり、出力の波が小さくなります。

 

特に、一定ペースを淡々と刻む場面で真価を発揮します。

 

 

3.デメリットもある?万能ではない前重心

 

 

もちろん、前乗りにも注意点はあります。

 

一つは、バイクコントロールにやや影響が出ること。

 

重心が前寄りになることで、スプリントやダンシングの際に後輪のトラクションが抜けやすくなったり、バイクが暴れやすくなる傾向があります。

 

 

また、骨盤の柔軟性が低い人や、もともと腰痛持ちの人は、前傾を深くすると腰や背中に負担がかかるケースも。

 

「前に座る=良い」ではなく、体の使い方とセットで考える必要があります。

 

 

ペダルとハンドル側に重心が寄ることで不安定になるため、ここでバランスを取るためにも体幹や股関節、足首まで相応に筋力が求められます。

 

これらが弱いとかえって前モモが疲れやすくなります。

 

 

4.どんな人・シーンに向いてる?

 

 

前のりは、以下のようなサイクリストにフィットしやすいです。

 

 

✅ヒルクライムで高出力を維持したい人

 

✅高ケイデンス(90rpm以上)で回すのが得意な人

 

✅骨盤~背骨全体のカーブを無理なく保てる柔軟性と筋力のある人

 

 

逆に、スプリントやアタックが多いレース、テクニカルなダウンヒルなどでは、後ろ重心の方がバイクをコントロールしやすいこともあります。

 

 

5.実践するならどう調整すればいい?

 

 

前のりを取り入れるときのコツは、「少しずつ、慎重に」変えていくことです。

 

 

まずはサドル位置を5mm単位で前に動かしてみて、フィーリングを確認しましょう。

 

前に出すほど、同じサドル高だと脚が伸びきりやすくなるので、サドル高も同時に微調整する必要があります。

 

 

もう一つ大事なのは、「体の使い方」。

 

前のりにした分、体幹でしっかり支える意識を持つと、より安定して乗れるようになります。

 

 

ポジションを変えた直後は違和感が出るのが普通なので、数日〜1週間かけて少しずつ慣れていくのがおすすめです。

 

 

6.まとめ

 

 

前重心ポジションは、適切に取り入れればヒルクライムやロングライドにおいて効率的な武器になります。

 

しかし、それが全員にとって最適解というわけではありません。

 

 

身体の柔軟性、筋力、走り方のスタイルによって、最適なポジションは変わってきます。

 

SNSやYouTubeで見たポジションをそのまま真似するのではなく、「自分の走りに合うかどうか?」をじっくり試しながら探っていくのが、遠回りなようで最も近道です。

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