【やっぱり大事!ベースを強くする低強度ライド】
ヒルクライムやロングライドで「終盤にタレる」「すぐに脚が終わってしまう」と悩んでいませんか?
そんなときに必要なのは、実は追い込む練習ではなく「低強度ライド」でベースを作ること。
「ゆっくり走るなんて意味あるの?」と思うかもしれませんが、実はこの低強度ライドこそが、持久力・回復力・エネルギー効率を劇的に改善する“科学的に証明された方法”なのです。
目次
1. ミトコンドリアを増やして「疲れにくい体」に
低強度ライドの最大の利点は、筋肉内のミトコンドリアを増やせることです。
ミトコンドリアは、脂肪や糖をエネルギーに変える“体内のエンジン”。
これが増えると、少ないエネルギーで効率よく長く動けるようになります。
特にゾーン2(心拍で言えば最大心拍の60〜70%、パワーでFTPの55〜75%)の強度で2時間以上走ることで、ミトコンドリアが増殖しやすくなることが多くの研究で示されています。
ベースが強い=長時間出力を維持できる。
短時間高出力ではなく、長時間中出力を出し続ける体を作るのが低強度ライドです。
2. 脂肪を効率よく燃やす「省エネ体質」に変化
ゾーン2でのトレーニングは、糖よりも脂肪を優先的に燃料として使うようになります。
これはサイクリストにとって非常に大きなメリット。
糖を補給しながら脂肪をエネルギーに変える力が増えます。
「低強度ライドを繰り返す→脂肪を優先して使う回路が強化される→糖の消費が抑えられる→後半までエネルギー切れせずに走れる」という良い循環が生まれます。
特にロングライドやヒルクライム後半で失速しやすい人は、この脂肪代謝能力が鍵になります。
3. 回復を促しつつ、ベースを積める
高強度トレーニングばかり続けていると、体に疲労が蓄積し、オーバートレーニングのリスクが高まります。
一方、低強度ライドは筋肉や心肺に過剰なダメージを与えることなく、トレーニング効果を得ることができます。
特に「疲れてるけど乗っておきたい」という日に最適。
実際に、プロ選手たちも全体のトレーニング時間の70〜80%を低強度にあてているという調査もあり、強くなるために「強度=高ければ良い」というわけではないのです。
4. FTP向上やヒルクライムの持久力に直結
「ベースができれば自然とFTPも上がる」と言われるのは、低強度ライドが代謝効率や筋持久力を底上げするからです。
FTPは短期間のインターバルでもある程度伸びますが、40代以降は特に“疲れにくさ”“回復力”が鍵になります。
これを無視して高強度ばかりやると、パフォーマンスが伸び悩み、むしろ調子を崩すことも。
地味なようでいて、週2回の低強度ライド(2〜5時間)を3か月続けるだけで、登坂力や巡航力が向上するという例は多くあります。
5. どんなライダーにも必要な「体の土台づくり」
初心者でもベテランでも、低強度ライドはすべてのサイクリストに共通して必要なトレーニングです。
筋力系のトレーニングと違い、低強度のベース作りは“年齢に関係なく向上可能”で、しかもケガのリスクが低い。
「体を壊さずに強くなる」ために、低強度ライドが欠かせません。
長く乗りたい、強くなりたい、ラクに登りたい。
そのすべての願いは、低強度の積み重ねが叶えてくれます。
6. 実践するにはどうすればいい?
✅目安は最低週に1〜2回
1回あたり2時間以上。
できれば週末に1回、平日に短めでもう1回できると理想です。
✅ペースは“会話できる”くらい
「息が切れない」「会話できる」くらいが理想。
心拍計があれば最大心拍の60〜70%、パワーメーターならFTPの60%前後。
✅空腹時の早朝ライドもおすすめ
朝イチに軽めのライドをすることで、脂肪代謝がより高まりやすくなります。
✅インドアでもOK
外で時間が取れないときは、ZWIFTなどで1時間のゾーン2ライドも効果あり。
7.まとめ
低強度ライドは、地味だけど最も裏切らないトレーニングです。
脂肪代謝を高め、ミトコンドリアを増やし、持久力を根本から強くする。
しかも回復を促進し、ケガや不調のリスクも下げてくれる。
本当に強くなりたいなら、追い込むだけでなく「ゆっくり、じっくり乗る日」を作りましょう。
3か月後、あなたの体は間違いなく変わっています。
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