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ロードバイクで走るために大切な筋肉まとめ

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”ロードバイクを漕ぐ時に一番大切な筋肉って何ですか?”

よく感じる疑問だと思います。

スポーツには、その競技特有の体の動きがある=それを最大化させるために鍛えるべき筋肉がある。

と考えるのは自然なことです。

結論からいうと、

自転車を漕ぐことだけに限って言えばこれという特定の筋肉を挙げることはできないです。

ただし、シチュエーションやフォームごとに、求められるものは出てくる思います。

今回は運動学と解剖学に基づいてこの辺りを紐解いて行きます。

⬇︎そもそもペダリングってどんな動き?を知りたい人はこちら

ペダリングは歩きとほぼ同じ!ペダリングの基本

1. 大臀筋〜長い時間パワフルに漕ぐために〜

基本姿勢で自転車を漕いでいる時に、それを長時間続ける時に大切なのが大臀筋です。

”ペダルに力を与える”筋肉ですね。

ロングライドをする上でも、競技に取り組む上でも、

ペダルを回し続けているニュートラルな状態で常に働かせる必要があるため、

そういう意味では大臀筋は”ロードバイクを漕ぐ時に一番大切な筋肉”と言えるかもしれません。

お尻を覆うようについた大きな筋肉でして、股関節を伸ばす作用、伸展を中心に、開く作用(外転、外旋)も行います。

股関節の伸展なので、ペダルを踏む際に働きます。

踏み脚はペダルにダイレクトにパワーを伝えるフェーズなので、自転車を進める上では重要ポイントです。

”ペダルを踏む”という動きは股関節の伸展⇨膝関節の伸展という順序で成り立ちます。

股関節を伸展させる筋肉は数ありますが、その中でももっとも伸展への貢献度が高いのが大臀筋になります。

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ペダリングをよりスムーズに!股関節主体のペダリング

2. ハムストリングス〜ヒルクライムや平地の高速巡航、引き足への切り替え〜

股関節の伸展がペダリングにおいては大切でありその中で貢献度が高いのが大臀筋になりますが、同じく股関節を伸展する筋肉がハムストリングスです。

ヒルクライムや平地の高速巡航のように、高い出力が求められる場面で大切になると思います。

ハムストリングス自体は半腱様筋/半膜様筋、大腿二頭筋をまとめての総称になります。

膝の裏面を左右から支えるようについています。

太ももの裏面に張り付く長い筋肉なので、素早く力を発揮するのに適しています。

なので高い出力を求められるシチュエーションで大切になってくるわけです。

少しマニアックな話になりますが、これだけ長い筋肉なので作用については体に近い方と末端に近い方とで分けて考える必要があります。

股関節を伸ばす作用は主に体に近い方の筋繊維が貢献し、末端の方は膝を曲げる方に貢献します。

なのでハムストリングスは、引き足へのスムーズな切り替えという仕事も持っています。

3. 大腿四頭筋〜膝を支えるとともに瞬発的かつパワフルな加速を行う〜

速筋線維(瞬発的かつ強い筋力発揮が得意)に富んでおり、いわゆるスプリントの場面で活躍するのが大腿四頭筋です。

その分疲れやすいという側面もあるので、長距離においてここに頼るとすぐに脚が売り切れてしまいます。

ここぞという時に使う、切り札的な存在ですね。

ロングライドをする上ではあまり積極的に使う場面はないですが、競技となると勝負所のスプリントをする時に大腿四頭筋が強いと有利です。

※もちろん大臀筋やハムストリングスもまた、スプリントにおいても重要です。

それでいてペダルを踏む際の”膝のサポート”という役割も担っています。

踏み脚では股関節の伸展と連動して膝関節の伸展も起きています。その際に膝をサポートしてくれます。

股関節と膝関節の伸展が連動して”ペダルを踏む”という動きが出来上がるので、

股関節の伸展を主体にペダリングできていないと、大腿四頭筋が”ペダルを支えながら踏む”というオーバーワークになり、膝の痛みにつながります。

初心者の人が陥りがちなパターンです。

4. 腸腰筋〜体幹と脚を繋ぎブレないペダリングを実現する〜

踏み脚で重要なのが大臀筋なら、引き脚は腸腰筋が重要かと思います。

上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉であり、主に股関節の屈曲作用があります。

また、腰を曲げる作用も持っています。

引き脚を意識するべきかどうかは乗り手により好み分かれるポイントですが、

片方のペダルを踏んでいる時にその逆は必ずペダルを引き上げているわけで、その関係は表裏一体になります。

積極的に意識するかは好みによりますが、無視はできないですね。

また体幹と繋がっているので、腸腰筋が効いている事は上体がブレないペダリングを実現します。

のちに触れる腹筋群と同様にペダルを踏んだ際に生じる反力をバチっと受け止めて、上体がブレないようにしてくれます。

上り坂や向かい風などのアゲンストな環境ではここが効いているかどうかで楽さが随分違ってきます。

5. 内転筋群〜膝がブレないようにしてペダリングロスをなくす〜

太ももの内側につき、脚をキュッと閉じる作用があるのが内転筋群です。

長内転筋、大内転筋、薄筋、短内転筋、恥骨筋などをまとめて内転筋群です。

腸腰筋と連鎖して作用し、”体の柱”を作ってくれています。

膝がまっすぐ落ちるように股関節をコントロールしてくれるので、内転筋強化/ストレッチは膝痛予防になりえます。

この中でも大内転筋は股関節の伸展に、長内転筋は股関節の屈曲に作用するので、踏み脚、引き脚のどちらも支えてくれます。

後述の腹筋との連結も強いです。

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内転筋を使ったペダリングについて

6. 下腿三頭筋〜足首が暴れないようにサポート〜

ヒラメ筋と腓腹筋を合わせて下腿三頭筋と呼びます。

足関節の底屈という作用をメインに、腓腹筋に関しては膝関節の屈曲も担います。

踏み脚で踵が落ちると膝への負担がそれだけ大きくなります。

踵がどれくらい落ちるかは個人差があり、それがいいとかはないですが、つま先より下に落ちると構造学的に膝が過度に伸びていることになります。

それを抑えてくれるのが下腿三頭筋なのです。

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7. 前脛骨筋〜引き足を担うとともに上死点での抜けをスムーズにする〜

足首を返す動きをするのが前脛骨筋です。スネの筋肉ですね。

引き脚で足を引き上げるように働くとともに、そこから上死点を通る際の”足首の抜け”をスムーズにします。

円運動をスムーズに行う上で足首の柔軟性は結構大事です。

8. 体幹部(腹筋群と背筋群)〜前傾姿勢を取りながらペダルに力を伝えるために必須〜

体幹部とは胸〜腹、肩〜腰、にかけてのパーツです。

ここ、筋肉で分けて説明すると筋膜や運動連鎖などかなりマニアックなところに突っ込んでしまい、情報量が膨大になるので”体幹部”でまとめました。

腹筋群=腹直筋、腹斜筋(外腹斜筋、内腹斜筋)

背筋群=広背筋、脊柱起立筋(棘筋、最長筋、腸肋筋)

普通の自転車と違い前傾姿勢がきつい状態をキープしなければいけないので、腹筋群と背筋群どちらもバランスよく働きながら体幹を支える必要があります。

また股関節周囲の筋肉が働く前に、必ず腹筋群が先行して働きます。

力強くペダルに力を伝えるとともにスムーズに脚を動かすためにも体幹部の筋肉がしっかり働いている事はマストになります。

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安全に走るためにも体幹の強化は重要!

9. インナーマッスル

インナーマッスルという言葉を聞いた事があるかと思います。

筋肉は様々な種類の筋肉が何層も積み重なって体に付いています。

その一番奥の方、内臓や骨にもっとも近いところにあるのがインナーマッスルです。

体幹や四肢を芯から支えてくれるので、これまで触れたような外側の大きな筋肉の無駄な力を抜いてくれます。

柔軟かつしなやかな体の動きを作ってくれるのです。

※前述の腸腰筋のみインナーマッスルの1つです。

9.① 体幹のインナーマッスル(腹横筋、横隔膜、骨盤底筋、多裂筋)

これらの作用は主に姿勢の安定化、呼吸、内臓の位置を整えるです。

長時間前傾姿勢をキープしていると肩が凝ったり、腰が痛くなる人もいるかと思います。

そういう場合、ポジションを見直すことももちろんですがこれらのインナーマッスルを鍛えることも重要になります。

体幹を芯から支える事で外側の腹筋や背筋の緊張を抜き、力まずに走り続けることにつながります

プロ選手によく見られる”腹圧”を形成しているのもこれらの筋肉ですね。

9.② 股関節のインナーマッスル(外旋六筋、恥骨筋、短内転筋)

股関節を一番奥から支えてくれています。

股関節を左右に捻る(膝のお皿を左右に向ける)動き、回旋をメインに全方位的に動きを支えます。

ペダリングに若干の捻りが加わる事で効率よく高い力をペダルに伝えることができます。

動きに余裕が生まれることで関節への負担が分散されるので故障の予防にもオススメです。

9.③ 足関節/足部のインナーマッスル(後脛骨筋、調子屈筋

早い話がアンクリングを抑えてくれます。

足首が無駄に暴れないようにしてくれるので膝の負担も軽減させます。

足の指の力が弱くアーチが潰れていると、ペダルを踏み込んだ際に膝もブレてしまいやすいです。

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